SoftBank Airの契約を検討する際、「5G対応で速い」という評判を聞く一方で、「4Gにしか繋がらない地域もある」という話も耳にし、混乱している方はいませんか?「4Gプランと5Gプラン、2つの料金プランがあるのだろうか?」「料金が違うのか?」「自分の家では、一体どちらに繋がることになるのだろうか?」――こうした疑問は、SoftBank Airを正しく理解し、後悔なく契約するための、最も重要なポイントです。

この記事では、SoftBank Airが提供する「4G」と「5G」という2つの通信体験の違いについて、あらゆる角度から徹底的に比較・解説します。料金体系の真実から、技術的な仕組み、そしてユーザーが最も知りたいリアルな実測速度の違い、そしてあなたの家がどちらのエリアに属するのかを判断する方法まで、この1記事で全ての疑問を解消します。

この記事を読み終える頃には、あなたはSoftBank Airの持つ二つの顔を完全に理解し、ご自身の環境にとって最適な選択を下すための、確かな知識を手にしているはずです。

第1章:【結論】料金プランは1つ、通信体験が2つ

まず、最も重要な事実からお伝えします。SoftBank Airには、ユーザーが選択する「4Gプラン」と「5Gプラン」という2つの料金プランは存在しません。

料金プランは**「Air 4G/5G共通プラン」(月額5,368円)の一つだけ**です。あなたが4Gエリアに住んでいても、5Gエリアに住んでいても、支払う月額料金は全く同じです。

では、何が違うのか。それは、あなたの「住んでいる場所」と「使っている端末」によって、実際に提供される**通信体験(=通信速度や安定性)が「4G品質」になるか「5G品質」になるか**、という点です。つまり、同じ料金を払っていても、住んでいる場所によってサービスの質が全く異なる、というのがSoftBank Airの大きな特徴なのです。

第2章:【一目瞭然】4Gと5Gの総合性能比較

両者の違いを明確に理解するために、その特性を一覧表で比較してみましょう。

比較項目 4G体験 5G体験
対応端末 Airターミナル4 NEXT以前 Airターミナル5以降
理論上の最大速度 ~612Mbps ~2.7Gbps以上
平均的な実測速度(下り) 30Mbps ~ 60Mbps 100Mbps ~ 250Mbps
平均的なPing値 50ms ~ 70ms 40ms ~ 55ms
エリアの広さ 非常に広い(人口カバー率99%以上) 拡大中(主に都市部中心)
主なWi-Fi規格 Wi-Fi 5 (ac) Wi-Fi 6 (ax) / 7 (be)
得意な利用シーン Web閲覧、SNS、HD画質動画 4K動画、オンラインゲーム、複数人での同時利用

第3章:SoftBank Airの基盤「4G体験」の深掘り

SoftBank Airのサービスを全国規模で支える、いわば「土台」となるのが4Gネットワークです。5Gエリア外の全てのユーザーは、この4G体験をすることになります。

技術解説:複数の4G技術を束ねる「キャリアアグリゲーション」

SoftBank Airの4G通信は、データ通信に特化した「AXGP」と、スマートフォンでも使われる一般的な「FDD-LTE」という複数の電波を、その場所で最も適した形で利用します。さらに、「キャリアアグリゲーション(CA)」という技術により、これらの異なる周波数の電波を同時に束ねて通信することで、4G単独とは思えないほどの速度を引き出しています。これが、4G環境下でも数十Mbpsという実用的な速度が出る秘密です。

性能と快適度:4Gで「できること」「できないこと」

平均30Mbps〜60Mbpsという実測値は、一人〜二人暮らしで、Webサイトの閲覧、SNS、YouTubeやNetflixのHD画質(1080p)動画の視聴といった、一般的なインターネット利用であれば、ほとんどのシーンでストレスを感じることはないレベルです。オンライン会議(Zoomなど)も問題なく行えます。

しかし、4Kの高画質ストリーミングを安定して視聴したり、家族3〜4人が同時にそれぞれ動画を見始めたりすると、読み込みが発生したり、画質が低下したりと、性能の限界が見え始めます。また、Ping値が50ms以上と高めになりがちなため、一瞬のラグが致命的となるFPSなどの対戦型オンラインゲームには不向きです。

第4章:次世代の快適さ「5G体験」の深掘り

5Gエリアにお住まいの方が享受できるのが、この5G体験です。光回線に匹敵する、あるいはそれを超えるポテンシャルを秘めています。

技術解説:高速通信を実現する「Sub6」

現在SoftBank Airで主に利用されている5Gは、「Sub6(サブシックス)」と呼ばれる3.7GHz帯などの周波数帯です。4Gよりも 훨씬広い帯域幅を利用できるため、通信速度が飛躍的に向上します。これにより、実測値で100Mbps以上、コンディションが良ければ300Mbps、400Mbpsといった光回線並みの速度が、工事不要で手に入るのです。

性能と快適度:5Gで実現するストレスフリーな世界

実測値で100Mbpsを安定して超える5G環境では、インターネット利用の質が一段階上がります。
・4K/8Kストリーミング:最高画質の映像コンテンツを、読み込みを待つことなく、いつでもスムーズに楽しめます。
・大容量ダウンロード:100GBを超えるような最新ゲームのダウンロードも、4G環境の数分の一の時間で完了します。
・複数人での同時利用:家族全員がそれぞれのデバイスで高画質な動画を見たり、オンラインゲームをしたりしても、互いに干渉することなく、快適な通信を維持できます。
・オンラインゲーム:Ping値も4Gよりは改善される傾向にあるため、より快適なプレイが期待できます。(ただし、安定性を極めるなら依然として光回線に軍配が上がります)

第5章:【実践】あなたの家はどっち?4Gと5Gの判別方法と最終判断

ステップ1:契約する(利用中の)端末を確認する

まず大前提として、5G体験を得るには、5Gに対応した「Airターミナル5」以降の機種が必須です。もしお使いの端末がAirターミナル4以前の旧式モデルであれば、たとえ5Gエリアに住んでいても、あなたの体験は100%「4G体験」となります。

ステップ2:公式サイトで「エリア確認」を行う

最新の5G対応端末を用意した上で、ソフトバンク公式サイトの「SoftBank Air エリア確認」ページで、ご自宅の住所を「丁目」レベルまで正確に確認します。ここで「5G」のマークが付いていれば「5G体験」が、付いていなければ「4G体験」ができるエリアであると判断できます。

【最終判断】4Gエリアだった場合、それでも契約する価値はあるか?

エリア確認の結果、ご自宅が4Gエリアだった場合の判断基準は明確です。

契約を推奨するケース
・光回線が引けない、または工事ができない環境である。
・家族にソフトバンク・ワイモバイルユーザーが多く、「おうち割 光セット」による割引額が非常に大きい。
・主な用途がWeb閲覧やSNS、HD画質の動画視聴であり、オンラインゲームなどをしない。

契約を推奨しないケース
・光回線が利用可能な環境である。
・ドコモ home 5Gなど、競合のホームルーターがご自宅を「5Gエリア」としてカバーしている。
・オンラインゲームや、家族での高負荷な同時利用がメインである。

まとめ:同じ料金、違う価値。契約前に「どちらの体験か」の見極めを

SoftBank Airは、支払う料金プランは一つですが、その内実には「4G体験」と「5G体験」という、全く価値の異なる2つのサービスが存在します。そして、あなたがどちらの体験をすることになるのかは、契約前の「エリア確認」でほぼ決定されます。

5Gが利用できるのであれば、SoftBank Airは光回線に匹敵する強力な選択肢となります。一方で、4Gのみの利用となる場合は、その性能の限界を正しく理解し、ご自身の使い方や、おうち割といった付加価値と天秤にかけて、冷静に契約を判断する必要があります。この記事が、そのための正確な物差しとなれば幸いです。