SoftBank Airの歴史に、新たな1ページを刻む最新端末「Airターミナル6」がついに登場しました。5G対応で大きな進化を遂げた「Airターミナル5」の登場から時を経て、今回のモデルチェンジでは一体何が、そしてどのように変わったのでしょうか。

この記事では、2024年11月20日に発売された「Airターミナル6」に完全に焦点を当て、その発売日や料金体系といった基本情報から、技術的なスペック、そして最も重要な「Airターミナル5」との決定的な違いまで、あらゆる情報を網羅的かつ深く掘り下げて解説します。

「最新端末は本当に速いの?」「今Airターミナル5を使っているけど、買い替える価値はある?」そんな疑問を持つすべての人のための、究極のガイドです。

Airターミナル6の登場背景とコンセプト

Airターミナル6は、単なる高速化だけを目的としたマイナーチェンジではありません。5Gの普及と、私たちのインターネット利用スタイルの変化に対応するために生まれた、次世代のホームルーターです。

発売日と基本的な立ち位置

Airターミナル6は、2024年11月20日に発売されました。これにより、SoftBank Airの新規契約で提供される端末は、原則としてこのAirターミナル6が標準となります。Airターミナル5の登場が高速化の第一章だとすれば、Airターミナル6は、その速度を「より安定させ、より多くの機器で、より賢く使う」ための第二章の幕開けを告げるモデルと言えるでしょう。

なぜ今、Airターミナル6が必要だったのか

Airターミナル5で実現した5Gによる高速通信は、多くのユーザーに快適なインターネット体験をもたらしました。しかし一方で、高画質動画のストリーミング、オンラインゲーム、VR/ARコンテンツ、そして多数のIoT家電が同時に接続される現代の家庭では、「速さ」だけでなく「通信の安定性」や「遅延の少なさ」がより一層求められるようになりました。Airターミナル6は、これらの新たなニーズに応えるべく、次世代規格「Wi-Fi 7」を搭載し、家庭内の通信品質そのものを向上させることをコンセプトとしています。

【徹底比較】Airターミナル6とAirターミナル5の7つの決定的な違い

Airターミナル6の進化を最もよく理解するには、前モデルであるAirターミナル5と比較するのが一番です。ここでは、スペック上の数字だけでなく、その進化がもたらす実用的なメリットに焦点を当てて解説します。

スペック項目 Airターミナル6(新) Airターミナル5(旧)
発売日 2024年11月20日 2021年10月1日
下り最大速度 2.7Gbps (5G) 2.1Gbps (5G)
Wi-Fi規格 Wi-Fi 7 (ax/be) Wi-Fi 6 (ax)
対応周波数帯 2.4GHz / 5GHz / 6GHz 2.4GHz / 5GHz
メッシュWi-Fi 親機機能に対応 非対応
バンドステアリング 対応 非対応
外観・デザイン 排熱性を考慮したスリットデザイン 滑らかな円筒形デザイン
※速度は全て技術規格上の最大値です。

違い1:下り最大通信速度の向上(2.1Gbps → 2.7Gbps)

5G受信時の下り最大速度が、Airターミナル5の2.1Gbpsから2.7Gbpsへと向上しました。これはあくまで理論値ですが、ベースとなるポテンシャルが引き上げられたことで、実測値の向上が期待できます。

違い2:次世代規格「Wi-Fi 7」への対応

最大の進化点です。Wi-Fi 6からWi-Fi 7になることで、通信の高速化はもちろん、特に「低遅延」と「安定性」が劇的に向上します。これにより、リアルタイム性が求められるオンラインゲームやビデオ会議での快適さが大きく変わります。

違い3:新周波数帯「6GHz帯」の利用

Wi-Fi 7の能力を最大限に引き出すのが、新たに対応した「6GHz帯」です。従来の2.4GHz帯や5GHz帯は、他のWi-Fi機器や家電製品との電波干渉で混雑しがちでした。6GHz帯は、Wi-Fi 6EやWi-Fi 7対応機器しか利用できないため、いわば「空いている専用道路」のような状態です。これにより、電波干渉の極めて少ない、クリーンで高速な通信が可能になります。

違い4:メッシュWi-Fiの「親機機能」に対応

Airターミナル5では、家の中にWi-Fiが届きにくい場所がある場合、市販のメッシュWi-Fiシステムを別途購入して接続する必要がありました。Airターミナル6は、それ自体がメッシュWi-Fiの「親機」となる機能を搭載しています。これにより、専用の子機を追加購入するだけで、家中に網の目のように安定したWi-Fi環境を、よりシンプルかつ安価に構築できるようになりました。

違い5:最適な電波を自動選択する「バンドステアリング」機能

Airターミナル5では、2.4GHzと5GHzのどちらの電波に接続するかを、ユーザーが手動で選択する必要がありました。Airターミナル6は「バンドステアリング」機能に対応しており、接続する機器の場所や状態に応じて、最適な周波数帯(2.4GHz/5GHz/6GHz)へ自動的に接続を切り替えてくれます。ユーザーは何も意識することなく、常にベストな通信状態を維持できるのです。

違い6:排熱性を高めた新デザイン

Airターミナル6は、本体下部に多数のスリット(穴)が入ったデザインに変更されました。これはデザイン性だけでなく、内部の熱を効率的に排出するための機能的な設計です。ホームルーターは長時間稼働するため、熱暴走によるパフォーマンス低下を防ぐことは、安定した通信を維持する上で非常に重要です。

Airターミナル6の料金プランとキャンペーン

Airターミナル6を利用する場合の料金体系は、基本的にAirターミナル5の時と大きくは変わりませんが、専用のキャンペーンが用意されています。

端末価格と月月割

Airターミナル6の本体価格はAirターミナル5と同様に71,280円(税込)です。こちらも「月月割」の対象となり、36回または48回の分割払いを選択し、その期間利用を継続すれば、端末代金が実質0円になる仕組みです。

専用キャンペーン「Airターミナル6 デビュー割」

Airターミナル6の発売に合わせて開始されたキャンペーンです。新規契約者を対象に、月額基本料金5,368円から割引が適用され、お得な料金で利用を開始できます。(割引額や期間は申し込み時期により変動します)

Airターミナル5からの機種変更

既存のAirターミナル5ユーザー向けに、機種変更をサポートするキャンペーンが提供される場合があります。ただし、Airターミナル5の端末代金の残債が残っている場合は、その支払いが必要になるケースが多いため、機種変更を検討する際は、My SoftBankでご自身の残債額を必ず確認してください。

結論:Airターミナル5から「6」へ乗り換える価値はあるか?

ここまで解説してきた進化点を踏まえ、最も重要な問い「あなたはAirターミナル6に乗り換えるべきか?」について、具体的な判断基準を提示します。

「乗り換える価値が非常に高い」人

最新のWi-Fi 6EやWi-Fi 7に対応したPCやスマートフォンを所有している人:6GHz帯の恩恵を最大限に受けられ、別次元の快適さを体験できます。
オンラインゲーム、特に格闘ゲームやFPSを本格的にプレイする人:Wi-Fi 7による低遅延のメリットが最も活かせる利用シーンです。
複数階建ての戸建てや、壁が多く電波が届きにくい部屋がある人:メッシュWi-Fi親機機能により、家の隅々までWi-Fi環境をシンプルに改善できます。
家族の人数が多く、同時に接続するデバイスが常に10台以上ある人:バンドステアリング機能やWi-Fi 7の安定性が効果を発揮します。

「Airターミナル5のままでも十分」な人

Airターミナル5の端末代金の残債が多く残っている人:残債を支払ってまで乗り換えるほどの劇的な速度向上は、エリアや使い方によっては体感できない可能性があります。
主な用途がWebサイトの閲覧や動画視聴、SNSである人:これらの用途では、Airターミナル5の性能でも十分に快適です。
接続するデバイスがWi-Fi 5以前の規格にしか対応していない人:Airターミナル6の性能を活かしきれず、宝の持ち腐れになる可能性があります。

Airターミナル6は、全ての人にとって必須のアップグレードではありません。しかし、あなたの使い方や環境が「乗り換える価値が高い人」に当てはまるのであれば、その投資は間違いなく日々のインターネット体験をより豊かで快適なものに変えてくれるでしょう。