お子様から「Switchでオンラインゲームがしたい!」とせがまれたり、ご自身で久しぶりに「マリオカート」や「どうぶつの森」を遊びたくなったり。そんな時、ふと頭をよぎるのがインターネット回線の問題です。
「SoftBank AirでSwitchって、ちゃんと遊べるの?」「ネットの口コミを見ると『ラグい(遅延がある)』って書いてあるけど…」
確かに、インターネット上には「ゲームをするなら光回線一択」という意見が溢れています。しかし、それは全ての人、全てのゲーム機に当てはまる正解なのでしょうか? 実は、Nintendo Switchで遊ばれる多くの人気タイトルに関しては、光回線ほどのハイスペックは不要で、SoftBank Airで十分に快適に遊べるケースがほとんどなのです。
この記事では、SoftBank AirとNintendo Switchの相性について、嘘偽りなく検証します。「どのゲームなら快適で、どのゲームは厳しいのか」という境界線を明確にし、さらにSoftBank AirでSwitchを最高に安定させるための「接続設定の裏技」も伝授します。子どものゲームのために高額な工事費を払う前に、ぜひ一度目を通してください。
第1章:Switchに「光回線」はオーバースペック? 必要な速度の真実
まず、Nintendo Switchというハードウェアが、どれくらいのインターネット性能を求めているのかを知りましょう。
Switchが必要とする通信速度は「意外と低い」
Switchのオンラインプレイに必要な通信速度(下り)は、実は3Mbps〜5Mbps程度あれば十分と言われています。4K高画質映像をストリーミングするPS5などとは異なり、Switchの扱うデータ量はそれほど大きくありません。
SoftBank Air(特に5Gエリア)の実測値は、平均して100Mbps以上出ることが多いため、速度(帯域幅)の面では、必要量の数十倍もの余裕があります。「速度が足りなくて動かない」ということは、まずあり得ません。
重要なのは速度より「Ping値(応答速度)」
オンラインゲームで「ラグ(遅延)」の原因になるのは、通信速度ではなく「Ping値」です。この数値が小さいほど、ボタンを押してから画面が反応するまでの時間が短くなります。
SoftBank Airはモバイル回線のため、光回線に比べるとPing値がやや高くなる傾向があります。これが「Airはゲームに向かない」と言われる所以です。しかし、全てのゲームでシビアなPing値が求められるわけではありません。
第2章:【タイトル別判定】SoftBank Airで快適に遊べるゲームは?
では、具体的にどのゲームなら快適で、どれが厳しいのか。Switchの人気ジャンルごとに判定しました。
判定:◎(非常に快適・全く問題なし)
・あつまれ どうぶつの森
・ポケットモンスター シリーズ(交換・対戦)
・桃太郎電鉄
・Minecraft(マイクラ)
・RPG全般
これらのゲームは、リアルタイムでの激しい動きを必要としません。通信のタイミングがコンマ数秒ズレたところで、ゲームプレイには何の影響もありません。SoftBank Airで何不自由なく、完璧に楽しめます。
判定:○(普通に遊べる・エンジョイ勢ならOK)
・マリオカート8 デラックス
・スプラトゥーン3(レギュラーマッチなど)
・大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL(フレンド対戦など)
・フォートナイト(Switch版)
アクション要素のあるゲームですが、Switch版のプレイヤー層は幅広く、ガチガチの競技環境ではありません。SoftBank Airの5G環境であれば、十分に楽しめます。稀にラグを感じる場面があるかもしれませんが、「家族や友達とワイワイ遊ぶ」分には問題にならないレベルです。
判定:△〜✕(上位を目指すなら厳しい)
・スプラトゥーン3(Xマッチ・上位帯)
・スマブラSP(VIPマッチ・ガチ対戦)
・Apex Legends(Switch版)
一瞬の判断ミスが勝敗に直結する「ウデマエ」を競うランク帯や、格闘ゲームのガチ対戦では、SoftBank AirのPing値の揺らぎがハンデになる可能性があります。「絶対に撃ち負けたくない」「ランキング上位に入りたい」というストイックな目的であれば、光回線を検討すべきです。
第3章:Switch × SoftBank Airを安定させる「接続の裏技」
「うちはエンジョイ勢だからAirで十分そう!」と思われたあなたへ。さらに快適に遊ぶために、必ずやってほしい設定があります。それは「有線LANアダプター」の活用です。
SwitchドックとAirターミナルを「有線」で繋ぐ
SoftBank Airは「置くだけWi-Fi」ですが、実は本体の裏側に「LANポート(有線接続口)」がついています。
一方、Nintendo Switch(有機ELモデル)のドックにも、有線LANポートが標準搭載されています。(※通常モデルのSwitchドックには搭載されていないため、千円程度の「USB有線LANアダプター」を別途購入してUSB端子に挿します)
この両者を「LANケーブル」で直接繋ぐことで、Wi-Fi接続時に発生する電波干渉や不安定さを完全にカットできます。基地局までは無線ですが、家の中を「有線」にするだけで、Ping値が安定し、ラグの発生率を劇的に下げることができます。
テレビモードで遊ぶ際は、ぜひこの「有線接続」を試してみてください。Airターミナルの真価が発揮されます。
第4章:ダウンロード版ソフト購入時の注意点
Switchは、ゲームソフトを「ニンテンドーeショップ」からダウンロード購入することが増えています。ソフトの容量は数GB〜10GB程度あるため、ダウンロードには少し時間がかかります。
SoftBank Airで大型タイトルをダウンロードする際は、回線が混雑する「夜20時〜24時」を避け、「朝〜夕方」の時間帯に行うのがおすすめです。また、Switchには「スリープ中のダウンロード機能」があるので、寝る前にダウンロードを開始してスリープにしておけば、朝には完了しています。
まとめ:Switchユーザーの9割は、SoftBank Airで幸せになれる
「ネットの対戦ゲーム=光回線必須」というのは、プロゲーマーやPCゲーマーの世界の話です。Nintendo Switchで、どうぶつの森を楽しんだり、家族でマリオカートを遊んだり、友達とスプラトゥーンで盛り上がったりする用途において、SoftBank Airは十分すぎる性能を持っています。
子どものSwitchのために、わざわざ壁に穴を開けて工事をする必要はありません。SoftBank Airという手軽でコスパの良い選択肢で、家族の楽しいゲーム時間をスタートさせてください。
