「SoftBank Airが5Gに対応して速くなった」という話を聞き、契約を検討したり、旧機種からの乗り換えを考えたりしている方も多いのではないでしょうか。しかし、いざ調べてみると「そもそも5Gプランって何?」「本当に速いの?」「自分の家はエリア内なの?」といった、たくさんの疑問が浮かんでくるはずです。

この記事では、SoftBank Airの「5Gプラン」というテーマに完全に焦点を絞り、その料金体系の仕組み、ユーザーが最も知りたいであろうリアルな通信速度、そして契約の可否を決定づける5G対応エリアの確認方法まで、あらゆる情報を網羅的かつ深く掘り下げて解説します。

5Gという言葉のイメージだけで判断するのではなく、その実態を正しく理解し、あなたのインターネット環境にとって本当に価値ある選択なのかを見極めていきましょう。

SoftBank Airの「5Gプラン」とは?独立したプランは存在しない

まず最初に理解しておくべき最も重要な点は、SoftBank Airには、ユーザーが選択できるような「5G専用プラン」と「4G専用プラン」が別々に存在するわけではない、ということです。

現在SoftBank Airを新規で契約する場合、料金プランは「Air 4G/5G共通プラン」という名称のものに統一されています。これは、契約者の住んでいるエリアや利用する端末に応じて、4Gと5Gの電波を自動的に切り替えて接続するプランです。

つまり、「5Gプランの詳細を知りたい」という疑問への答えは、「現在の標準プランである“Air 4G/5G共通プラン”の詳細を理解し、その上で自分の環境で5Gが使えるかを知ること」となります。5Gが使えるかどうかで月額料金が変わることはありません。料金は常に一定です。

5Gプランの料金体系|月額料金と必須になる端末代

5G通信を利用するためには、5G対応の「Airターミナル5」以降の端末が必須です。ここでは、その端末代金を含めた、実質的な5Gプランの料金体系を詳しく見ていきましょう。

月額基本料金と各種割引

「Air 4G/5G共通プラン」の月額基本料金は5,368円(税込)です。ここに、ソフトバンク・ワイモバイルユーザーであれば「おうち割 光セット」が適用され、スマホ1台あたり最大1,100円の割引が受けられます。

さらに、新規契約者向けの月額割引キャンペーンが適用されることで、契約から1年〜2年間は基本料金よりも安い金額で利用できる場合がほとんどです。

5G利用に必須の「Airターミナル5」の代金

5G通信を利用するには、対応端末である「Airターミナル5」の購入が必須となり、その本体価格は71,280円です。この代金は通常36回払い(月々1,980円)で支払いますが、同額が「月月割」として毎月の利用料金から割り引かれるため、36ヶ月間利用を継続すれば実質的な負担は0円になります。

したがって、5Gプランの実質的な月額料金は、各種キャンペーンを考慮しない場合、基本料金である5,368円となります。

SoftBank Airの5Gエリア|あなたの家は対応しているか?

5Gプランの恩恵を受けられるかどうかは、全て「自宅が5Gのサービスエリア内にあるか」にかかっています。ここでは、エリアの確認方法と、5G電波の特性について詳しく解説します。

公式サイトでのエリア確認方法が最も確実

最も正確で簡単な確認方法は、ソフトバンクの公式サイトにある「5Gサービス提供住所リスト」でチェックすることです。市区町村まで住所を選択すると、その地域が5Gの高速大容量通信に対応しているかどうかが一覧で表示されます。

一般的なスマートフォンの5Gエリアマップは、SoftBank Airのエリアと完全には一致しないため、必ずSoftBank Air専用のページで確認するようにしてください。「SoftBank Air 5Gエリア」と検索すれば、該当のページが見つかります。

知っておくべき5G電波の特性と「なんちゃって5G」

「5Gエリア」と一言で言っても、実はその電波には種類があり、速度や特性が異なります。

・Sub6(サブシックス)
現在、日本の5G通信の主流となっている周波数帯です。4Gに近い周波数を利用しているため、電波が比較的遠くまで届きやすく、エリアを拡大しやすいという特徴があります。Airターミナル5が対応しているのも、主にこのSub6です。

・ミリ波
Sub6よりもさらに高い周波数帯で、超高速・大容量・低遅延という5Gの真価を発揮できる電波です。しかし、直進性が非常に強く、障害物に弱いため、ごく限られたエリアでしか利用できません。SoftBank Airは現状、ミリ波には対応していません。

・4G周波数の5G転用
エリアマップ上では「5G」と表示されていても、実際には既存の4G用の周波数帯を5Gに転用しているだけのエリアも存在します。この場合、通信の安定性は向上するものの、ユーザーが期待するような「5Gならではの爆発的な速度」は体感しにくいことがあります。これが、一部で「なんちゃって5G」と呼ばれるものです。

公式サイトの住所リストで「対応」と表示されていても、それがどの種類の5G電波なのかまでは分かりません。そのため、次の章で解説する「実測速度」がより重要になってきます。

5Gプランの通信速度|理論値とリアルな実測値

SoftBank Airの公式サイトには、5G接続時の下り最大速度は「2.1Gbps」と記載されています。しかし、これはあくまで技術規格上の理論値(ベストエフォート値)であり、実際の利用環境でこの速度が出ることはありません。本当に重要なのは、一般のユーザーが計測した「実測値」です。

平均実測速度は100Mbps超え。4G時代から大きく改善

様々なユーザーの速度報告を集計しているサイト「みんなのネット回線速度」によると、Airターミナル5を利用しているユーザーの平均実測値は、下り(ダウンロード)で100Mbps〜150Mbps前後となっています。これは、旧型のAirターミナル4の平均実測値が30〜50Mbps程度だったことと比較すると、飛躍的な向上です。

この100Mbpsという速度は、4K画質の動画を快適に視聴したり、複数人が同時にインターネットを利用したりするのに十分なレベルであり、多くのユーザーにとっては満足できる速度と言えるでしょう。

実測速度に影響を与える要因

ただし、この実測値はあくまで平均であり、全てのユーザーがこの速度を体験できるわけではありません。実際の速度は、以下のような様々な要因によって大きく変動します。

基地局との距離と障害物:自宅と5G基地局の間に遮蔽物が多いと速度は低下します。
ネットワークの混雑状況:夜間など利用者が多い時間帯は速度が落ちる傾向があります。
接続している5G電波の種類:前述の通り、Sub6か4G転用かによって速度は大きく異なります。
自宅内の設置場所:Airターミナルを窓際に置くだけで速度が改善することはよくあります。

Ping値と上り速度は光回線に及ばず

下り速度が大幅に改善した一方で、応答速度を示す「Ping値」や、データをアップロードする際の「上り速度」については、依然として光回線に大きく劣る傾向があります。Ping値はオンラインゲームの快適さに、上り速度は動画配信や大容量ファイルの送信時間に影響します。これらの用途をメインに考えている場合は、5G対応のSoftBank Airであっても不向きな可能性があることを理解しておく必要があります。

結論:SoftBank Airの5Gプランはどんな人におすすめか?

ここまで解説してきた料金・エリア・速度の実態を踏まえ、SoftBank Airの5Gプランが本当に価値ある選択となるのは、どのような人なのでしょうか。

5Gプランが最適な人

自宅が明確に5G(Sub6)の提供エリアに入っている人
光回線の工事ができず、4Gのホームルーターでは速度に不満があった人
ソフトバンクまたはワイモバイルのスマホを利用している人(おうち割が強力なため)
オンラインゲームやライブ配信など、シビアな通信品質を求めない人

他のサービスを検討すべき人

5Gエリア外、またはエリアの境界線上に住んでいる人
Ping値や上り速度が重要なオンラインゲーマーやコンテンツクリエイター
ドコモの5Gエリアの方が広く、安定している人(「ドコモ home 5G」が有力な対抗馬)

SoftBank Airの5Gプランは、4G時代とは比較にならない快適な速度を手軽に実現できる、非常に魅力的なサービスに進化したことは間違いありません。しかし、その恩恵を最大限に受けるには「エリア」という絶対的な条件が存在します。ご自身の住環境とインターネットの利用目的を照らし合わせ、この記事の情報を参考に、最適な選択をしてください。